日常

人生とDNAー僕は神経について勉強したかったんだー

前回の記事で教授のことを話しましたが
今回は大学時代に教授から
聞いたお話をしたいと思います。
その時のA教授とします。

それは大学1回生の時の話です。
遺伝学の授業を受けたのですが
まったくわかりません(苦笑)

教科書を1冊購入して授業を受けるのですが
英文を翻訳した日本語 
そんな感じがにじみだしている日本語なんです(笑)

非常に分かりにくい日本語で理解しにくいです。
分からないことは無いのですが
そのまま直訳した日本語って感じで
自分で翻訳しながら読んだ方が早いと思うほどです。

A教授の授業は声が小さいんです(泣)
しかもマイクを付けても小さい…
しかも活舌が悪く聞き取りにくい…

そんでもって歯が欠けて治療中なので
喋りにくいとのこと…

授業わかんないからせめてノートだけでも
しっかり取ろうと思ったのですが、
黒板の字が汚くて読めない…

そんでもって板書の量も多くない…

わっかんねぇ(笑)

授業を諦めるという選択肢もありましたが
せっかく教科書を買ったのから
もったいないから受けよう

そう思っていました…

大学の授業では
レポートを提出することがあります。

提出するときは教授によって様々ですが
A教授の場合、
授業の終わりに前回のレポートを提出します。

教卓の前にれるになって、
教卓の上に前の人が出した上にレポートを提出
するんですが…

きっちりと角と角をそろえて
提出しないといけないんですよぉ…
細かいわぁ…

他にも、
授業開始時に学生が少し話していたら
『何か話すことがあるのか?』
っていうんです。

嫌味っぽいなぁとは思うんですが
声が小さいんでなんて言っているのか
わかんないのよ…

なぜこんなにも厳しいのか
『皆さんが社会に出ても
恥ずかしい思いをしなくてもいいように
厳しくしているんだ。』

ええぇぇぇ…

教科書もわかりにくいし
何言っているかわからないし
板書も読めないし
嫌な思いしかない…

授業が全く分からない
苦痛でしかない
期末テスト合格できそうにない…

1回生なんで仲の良い先輩から
過去問を教えてもらう方法も
できないから積んでます…

もういいや
A教授に質問して
テストに出るところ教えてもらおう

そこで何を言われてもいいやぁ
怒られてもいいし
単位落とすよりいい

そう思ってA教授の所に
質問しに行きました。

A教授の部屋をノックして
〇〇学科のウエっちです
状業で分からない所がありましたので
質問しに来ました。

中に入れてもらって
一言めに言われたのは

ウエっちか
コーヒーでも飲むか?

えっ?
っていうぐらい拍子抜けするものでした。

お茶を入れてもらって
授業とテストの質問を聞くと
笑顔で話してくれました。

それ以外にも飼育している
文鳥の話もしていただきました。

その日はそれで終わって帰ったのですが
あまりにも授業のA教授とは全く違う印象で
優しく丁寧に教えてくれました。

……… えっ ?
拍子抜けしたというか

こんなにもプライベートは違うものなのか?
そんな疑問が出てきました。
疑問が出てきたと同じぐらい
どういった人なんだろうと
気になるようになりました。

そして試験を受けて無事
単位を取ることが出来るようにないました!

単位を取れたことをお礼に行った時に
『A教授はなぜ遺伝を専門にしているんですか?』
と聞きました。

はい、長くなりましたが
ここから本題です(笑)

A教授の人生について
聞いたことを語っていきます。
聞いたのが10年前ということもあり
昔の話なので忘れていることもあり
大体のストーリーを感じとっていただけたらと思います。

あんまり人には言わないんだけど…
A教授は前置きをしてから話してくださいました。

僕は神経について勉強したかったんだ。

僕が小さい時 親父が入院してね
手術することになった。

小脳の手術だけど
簡単な手術だから大丈夫って言われていた。

でも亡くなってしまった。
何でなくなったんだろう。
理由がわからなかった。

理由を聞こうにも小さい僕には
どうすることもできなかった。

なぜ親父が無くならなければならなかったのか。
親父の仇を取りたかったんだ。

そう思ったんだ。
そこで小脳について勉強したかったんだ。
親父が亡くなった小脳の病気ってなんなんだろう。

そうして大学に入った。
小脳 神経について勉強したかったけど
その大学では神経は学べなくて
研究室は遺伝の研究室を選んだんだ。

それで去年、
親父を手術した先生の弟子に
会って話を聞いてきたんだ。

彼は言っていたんだ。
あの手術は手術ミスでした。
ってね。

それで標本を見せてもらうことが出来たんだ。
親父の小脳の標本をね。

その時、僕は親父の仇を取れたと思ったんだ。

そうやってA教授の話を聞きました。

そこで思ったのは
そんなに強い覚悟をもって
生きてきた人生だったんだな。

目標をやり遂げた後
どういった思い出生きていくんだろう。
と少し心配した気がします。

単位を諦めていたらこのような
深い話を聞くこともなかったし
A教授について知ることもなかった。

授業の姿とは
まったく違う姿だったことから
ほんの一面しか見てないんだな
って思いました。

人生とはなんぞや
人の一面だけ見ては本質は見えない

そんな教訓に気づけた体験でした。

といっても、最初の授業以外は
A教授の授業を取ってないんですけどね(笑)

だってわからないんだもん(汗)

それ以降A教授の授業を
取っていないですが
仲良くさせていただき
卒業後の進路など気にかけていただきました。

今は入院中とのことですが
ゆっくり休んでいただきたいです。

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